煎茶の蒸しって、なあに?
煎茶を購入する際、パッケージに「蒸し」という言葉が付いているのをご存知ですか?
- 深蒸し煎茶
- 普通煎茶
- 浅蒸し煎茶
この「蒸し」という言葉にはどんな意味があるのだろうか?
・・・という疑問をお持ちの方も多いかも知れませんね。
日本茶の中で最もよく飲まれている煎茶は、蒸し時間によって、淹れたときの味や風味が大きく変化する飲み物です。
そして、茶葉の特徴を熟知した職人さんたちによる、独自の蒸し時間の長さや方法があるわけですね。
そんな蒸しの技術を駆使して、深蒸し煎茶や浅蒸し煎茶といった様々な種類の煎茶が生み出されるわけです。
ここでは、煎茶の「蒸し」の特徴や意味、蒸し時間による煎茶の風味の違いなどについて詳しくご紹介します。
煎茶の蒸しを行う理由は?
煎茶は、蒸しの深さによって味わいや香りが大きく異なるお茶であることは前述しました。
この日本茶のなかで最もポピュラーな煎茶は、不発酵茶と呼ばれる緑茶の1種です。
そのため、茶葉を摘んだ後には、葉に含まれる酸化酵素の活性を止めるために「蒸し」という工程が入ります。
では、煎茶の製法の中で、なぜ葉の酸化酵素の活性を止める必要があるのでしょうか?
それは、生葉独特の青臭さを取り除き、葉を柔らかくして揉みやすくするためです。
煎茶に限らず、不発酵茶に属する緑茶は製造工程に必ず「蒸し」の工程が入ります。
煎茶の場合は蒸し時間によって、「深蒸し」や「普通蒸し」、「浅蒸し」など様々な種類のお茶へと姿を変化させていきます。
では、それぞれの蒸し度合による煎茶の違いをご紹介しましょう。
煎茶の蒸しの深さによる香りや味の違いとは?
では、煎茶の「蒸しの深さ」による、お茶の名前、味や香りの特徴についてご紹介します。
普通蒸し煎茶
普通蒸し煎茶とは、以下の3つの条件を満たした時点で、蒸すのを止めた茶葉のことです。
- 酸化酵素の活性を止める
- 生葉独特の青臭さを取り除く
- 葉を柔らかくして揉みやすくする
普通蒸し煎茶は、別名「中蒸し」と呼ばれています。
玉露や上級煎茶に比べるとアミノ酸の含有量が低く、逆にカテキンを豊富に含むため、旨味とほどよい渋味を感じることができるのが特徴です。
深蒸し煎茶
深蒸し茶は、普通蒸し煎茶よりも蒸し時間を5割増しから2倍ほど長くして作られている煎茶です。
長時間蒸したことで、茶葉が脆くなっていて、普通蒸し煎茶に比べて粉末状になった茶葉が含まれます。
お茶を入れる際の水の良し悪しに影響されにくく、渋味や苦味が弱いのが特徴となります。
深蒸し煎茶は、抽出が良く、水色が濃いのも魅力の一つと言えます。
浅蒸し煎茶
浅蒸し煎茶は、普通蒸し煎茶よりも、短い蒸し時間で作られている煎茶です。
初々しさが残る強めの香りと、サラリとした爽やかな飲み口、そして美しく澄んだグリーンの水色が特徴となります。
浅蒸し煎茶は、蒸し時間が短いので、比較的しっかりと固めの茶葉の状態になっています。
さて、1738年に煎茶が誕生してから、すでに300年近くなります。
そんな中、今もなお変わらず多くの日本人に愛されているのが煎茶の魅力の現れと言えるでしょう。
煎茶は、蒸し時間によって「深蒸し」や「浅蒸し」など、様々な種類があります。
この機会に様々な蒸し度合の煎茶を飲み比べて、あなた好みの香りや味わいを持つ煎茶を探してみてはいかがでしょう。